概要
薬剤科では、患者様が安心して薬物治療を受けられるよう、様々な業務を行っています。
2012年10月より電子カルテ・オーダリングシステムを導入し、2013年12月に全科院外処方箋発行を開始しました。以降、業務を病棟活動にシフトし、入院患者様への薬物治療がより適正・安全でかつ効果的に行われるよう、他職種と連携しながら取り組んでいます。
2015年5月からは新病棟完成に伴い、当科も新しい建物で業務を開始しました。新病棟ではクリーンベンチを設置したクリーンルームや、安全キャビネットを設置したケミカルハザード室が整備され、高カロリー輸液や抗悪性腫瘍剤の調製などを行っています。
私たちは医薬品の専門家である薬剤師として、適切な薬物治療を提供するほか、チーム医療を推進し、地域医療の発展に貢献できるよう、日々研鑽を重ねています。
スタッフ
- 薬剤師5名 補助員2名
業務紹介
調剤業務
当院の院外処方箋発行率はほぼ100%のため、主に入院患者様の薬を調剤しています。
調剤業務では、医師がオーダリングシステムにより処方した内容が、現在の患者様の病状に対し適切であるかを確認し、疑問点があれば必ず医師に確認してから調剤を行います。
内服薬・外用薬調剤では、計数調剤のほか自動錠剤分包機を用いた一包化調剤、散剤・粉砕調剤などを行っています。また、必要に応じ簡易懸濁法も導入しており、懸濁可否の判断に必要な情報提供を行っています。
注射薬調剤においては、患者様ごとに個人セットを行っており、薬剤科勤務時間内に処方された注射薬については随時調剤し、病棟へ払い出しています。併せて注射薬の配合変化についても情報提供しています。
製剤業務
治療や検査に必要な薬品のうち販売されていない薬品について、必要に応じて院内で調製しています。
高カロリー輸液剤・抗悪性腫瘍剤調製業務
クリーンベンチ内で高カロリー輸液の調製、安全キャビネット内で抗悪性腫瘍剤の混合調製を行っています。
薬品管理業務
病棟業務、薬剤管理指導業務
当院は内科・循環器科病棟、外科・消化器病棟、整形・形成外科病棟・療養病棟から成り、
それぞれの病棟に担当薬剤師を配置しています。
患者様のベッドサイドに伺い、使用薬剤の説明や相談に対応するのはもちろんのこと、持参薬の鑑別や臓器機能に応じた医師への処方提案、効果の確認や副作用への対応、看護師への情報提供など、病棟における薬剤の適正使用に努めています。
抗悪性腫瘍剤化学療法への参画
外来や入院で行われる抗悪性腫瘍剤化学療法について、各患者様に適用されるプロトコルや投与歴を確認し、適切な投与方法の提案や副作用の確認などを行っています。
また、化学療法委員会の事務局として、新規プロトコル導入に対する資料提供やオーダリングシステムへの登録などを行っています。
薬物血中濃度モニタリング(TDM)
治療有効域の狭い薬剤や中毒域と有効域が近い薬剤などについて、医師へ血中濃度測定を依頼し、その結果をもとに投与方法や投与量の提案を行っています。
チーム医療への参画
当院に設置されている、褥瘡対策委員会、感染対策委員会(ICC)、感染対策チーム(ICT)、栄養サポートチーム(NST)に薬剤師も参加しており、他職種と連携しながら、専門チームの一員として患者様の治療に参画しています。
さらに、各チームが中心になって行われる回診にも参加し、褥瘡回診では使用薬剤の情報提供、感染・抗菌薬ラウンドでは消毒薬や抗菌薬の使用状況報告、NST回診では輸液の処方提案などを行っています。
外来服薬指導
主にインスリン自己注射を導入される患者様に対し、看護師と連携しながら薬剤師が注射手技を説明しているほか、アナフィラキシーショック時に使用されるアドレナリン自己注射薬についても、医師と連携しながら薬剤師が説明しています。
他医療機関との連携
院外処方せんを応需する調剤薬局との連携に加え、近隣病院との勉強会やカンファレンスなどを定期的に行っています。
薬学部実務実習生受け入れ
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師が在籍しており、薬学部実務実習生の受け入れを行っています。
その他
当院は、専門薬剤師や認定薬剤師などの資格取得を応援する体制を整えています。また、当科職員による院内スタッフへの医薬品の勉強会のほか、製薬会社による新薬の勉強会を開催するなど、知識の向上に努めています。
ひたち医療センター がん化学療法レジメン
外来腫瘍化学療法診療料 1 に係る掲示
外来腫瘍化学療法診療料 1 に係る掲示
(令和 6 年 10 月 1 日現在)
【当院では以下の対応を行っております】
・専任の医師、看護師または薬剤師が院内に常時1名以上配置され、本診療料を算定している患者さんから電話等による緊急の相談に、24時間対応できる体制が整備されています。
・急変時などの緊急時に、当該患者さんが入院できる体制が確保されています。
・実施される化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し、承認する委員会を半年に1回開催しています。
社会医療法人愛宣会
ひたち医療センター